ランチタイムセミナー Lunch Time Seminar

青山学院大学・国際交流共同研究センター主催「2010年度第3回 Dejeuner-Debat」

開催日
2010年6月8日 (火)12:30-13:45
講演テーマ
The Goethe-Institut: Global Player and Mediator for the International Cultural Cooperation and German Foreign Politics
スピーカー
Dr.ウーヴェ・シュメルター
(Goethe-Institut Japan in Tokyo所長・東アジア地域代表)
講演要旨

ゲーテ・インスティトゥート(東京)のシュメルター所長による今回のセミナーでは、インスティトゥートの歴史と組織的変遷、さらに近年の東アジア地域における政策変化についてご講演をいただいた。

ゲーテ・インスティトゥートはドイツ対外文化政策を担う公的機関であるが、ドイツ連邦政府との関係において独立性、自律性を保持している。東欧の共産主義政権崩壊後、ドイツ統一に伴うコスト負担で緊縮財政が敷かれ、インスティトゥートも大幅な予算削減を余儀なくされた。以来、本部体制の縮小と意思決定の分権化、地域プライオリティの再編成などの組織改革が進められている。第二次世界大戦直後のドイツにとって、ヨーロッパの枠組みの中で文化交流を通じて戦後和解に貢献することが大きな課題だったが、EU統合が進んだ今、ドイツと他のEU加盟国はすでに相互信頼を基盤としたパートナー同士となっており、これまでヨーロッパ内に投入されていた物理的リソースは他の重点地域に回されることになった。一方で、EUNICと名付けられたEU加盟国文化機関のネットワークが形成され、文化交流に関するヨーロッパ諸国の連携は強化されつつあることが強調された。

また、インスティトゥートの東アジア拠点の移転や、地域グルーピング再編成の動きについても言及され、ヨーロッパの視点から見た東アジア地域における日本の重要性が指摘された。東アジアを中心に長年のあいだ対外文化政策・国際文化協力分野でご活躍されてきたシュメルター氏の講演は、日本の文化交流や文化機関のあり方を考える上でも、大変多くの示唆に富むものであった。

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