ランチタイムセミナー Lunch Time Seminar

青山学院大学・国際交流共同研究センター主催「2010年度第5回 Dejeuner-Debat」

開催日
2010年7月06日 (火)12:30-13:45
講演テーマ
「国際文化交流理念の変遷~イギリスを中心に~」
スピーカー
渡辺愛子氏(早稲田大学文学学術院・准教授)
講演要旨

「国際文化交流理念の変遷~イギリスを中心に~」と題された今回のランチタイムセミナーでは、昨年創立75周年を迎えたブリティッシュ・カウンシルの歴史的変遷を主軸に、第2次世界大戦前から現在まで、イギリスにおける国益追及の伝統が国際文化交流の領域でどのように変化し、さらに、その変化に「イギリス性」がどのように反映されているか、について講演をいただいた。

政治的プロパガンダとは目的を異にする機関として戦間期に設立されたブリティッシュ・カウンシルでは、半官半民の組織という基本的性格は一貫して保持しつつも、「官」と「民」のバランスは時代によりシフトしている。
その中で、政治目的に利用され、非政治性の理念がまげられたこともあった。
戦後になると、組織としての存続の必要性が度々疑問に付され、サッチャー政権期には大幅な補助金削減を受けるなど、自らの存在意義を証明しなければならない状況に幾度となく見舞われた。
こうした時代の変遷を通じて、カウンシルの目的には、ほぼ常に国益との連動性が示唆されていたが、ごく最近の組織目的を見ると、「イギリス」やその国益追求といった要素が希薄化していることが注目される。

また、同時に、国益に資するという結果重視のアプローチから、文化交流に関わる相互的プロセス自体を重視するアプローチへと変化しつつある、と見ることもできる。
今回の議論では、こうした変化はブリティッシュ・カウンシルという一組織に限らず、広くイギリスのアイデンティティ変化を示しているのではないか、という問題提起がなされた。

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